「NISAだから投資する」は本末転倒では?

「NISAだから投資する」は本末転倒?──投資の目的から考える本当の始め方を伝えるアイキャッチ画像
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「NISAだから投資を始めました」──最近、こんな声をよく聞くようになりました。
でも、それって「制度を使うこと」が目的になっていませんか?

本来、投資とは「将来に備えたい」とか「お金に働いてもらいたい」と思ったときに、自分なりの目的を持って始めるもの。
その手段のひとつとして、たまたまNISAという非課税制度があるだけです。

ところが今、「お得そうだから」「制度があるから」というだけで投資を始めた人が、
銘柄選びに迷い、含み損に不安になり、情報の海をさまよっています。

制度が先に立つと、判断軸がブレます。
あなたが本当に向き合うべきなのは、「どの制度を使うか」ではなく、「なぜ投資するのか」です。

この記事では、「制度ありき」の考え方がなぜ危ういのか、そして
投資の「副作用」を避けるために必要な「目的」と「スタイル」の整理方法をお伝えします。

目次

第1章|「NISAだから投資する」という逆転現象

📌 よく聞く声(でも、ちょっと危うい)

「NISA口座を開いたので、そろそろ何か買いたいと思って…」
「新NISAが始まったので、投資に挑戦してみることにしました」

一見すると前向きなスタートに思えますが、
このような「制度きっかけ」の発言には、ある共通点があります。

共通しているのは、「NISA=投資のスタート地点」になってしまっているという点です。
つまり、制度があるから投資を始めるという「逆転」が起きているのです。


🧭 本来あるべき「投資の順序」

投資を始めるときに、本来たどるべきステップはこうです:

  1. 投資の必要性に気づく(将来に備えたい、お金を育てたい)
  2. 目的を定める(教育資金、老後資金、資産の成長など)
  3. 目標を定める(18年で500万円、30年で5,000万円、3か月で20%の利益など)
  4. 手段を選ぶ(個別株か投信か、どのようなスタイルが自分に合うか)
  5. 制度を活用する(そのうえで、NISAやiDeCoなどを活用)

🚫 逆転すると、何が起きる?

制度を先に決めてしまうと、こんなことが起こります:

  • 「せっかくNISA口座を開設したから何かしないと」と焦る
  • 銘柄選びが「空気感」や「おすすめ」頼りになる
  • 含み損が出るとすぐに不安になる
  • 本来のゴールを見失い、続けられなくなる

💬 投資の「考え直しポイント」

もしかすると、あなた自身も「制度ありき」で考えてはいませんか?

制度を知ったから投資をする──その順番、逆かもしれません。
NISAは、目的を叶えるための「手段のひとつ」でしかないのです。


第2章:「NISAに入れたけど…」という悩みの正体

新NISAが始まって1年半。私のもとにも、こんな声が届くようになりました。

「NISA口座で買ったファンド、含み損になってて不安…」
「やっぱり投信じゃなくて、個別株にしておけばよかったかな」
「NISAの成績が悪いんだけど、どうしたらいいの?」

どれも切実な声ですし、実際にその気持ちはよくわかります。
でも、これらの悩みには「ある共通点」があります。

それは、
📌 NISAという制度の中での損得を気にしている
という点です。

これはつまり、「非課税で儲けたかったのに、思ったより増えていない・減ってしまった」という不満や焦りなのです。
しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。


✅NISAが非課税だとしても、損はします

これは、あまり語られませんが重要なことです。

  • NISAだから元本保証されるわけではない
  • NISAだからといって増えるわけでもない
  • そもそも「含み損」はいつでも起こりうる

非課税であることと、リターンがプラスであることはまったく別の話です。
NISAはあくまで、利益に対して課税されないという制度。それだけです。


✅目的が「非課税で得をすること」になっていないか?

ここで、本質的な問いを投げかけます。

そもそもあなたの投資の目的は何ですか?

  • 子どもの教育資金を作ること?
  • 老後の生活を安定させること?
  • 将来の選択肢を増やすこと?

それとも、「非課税で得をすること」ですか?

…おそらく、後者ではないはずです。


💬 投資の「考え直しポイント」

「NISAでどれだけ節税できるか」が目的になっていないか。
投資の目的は、「制度で得をする」ことではなく、
制度を使って「何を叶えるか」にこそあるはずです。


第3章:「制度を正しく使う」が目的になっていませんか?

SNSや書籍、動画などでは、NISAの活用法について詳しい情報があふれています。

  • つみたて投資枠は何に使うべき?
  • 成長投資枠って結局なに?
  • どんな順番で埋めるのが正解?
  • 毎月いくらまで買える?

こうした情報はとても参考になりますし、制度を正しく理解することも大切です。
しかし、ここで一度、立ち止まって考えてみてください。

「制度の使い方」に詳しくなることが、いつの間にか「投資の目的」になっていませんか?


  • 投信は「つみたて枠」で買うべき?
  • 今年は枠を残さず使い切れた!
  • 1円も無駄なく埋めるのが最適解?

──これらは本来、目的の実現に向けて制度を使うという「手段」のはずです。
それがいつの間にか、「制度を使いこなすこと」自体がゴールになってしまっている。

このすり替わりが、混乱や不安を生み出しているのです。


📌「正しく使う」が目的化していないか?

そもそも投資は、制度の枠組みを使いこなすことが目的ではありません。
あなた自身の目標──たとえば、10年後の住宅購入や老後の資金づくり──
それを実現する手段として、NISAという制度があるだけです。

制度を使いこなすことが「投資の成功」とイコールになってしまうと、

  • 相場が下がったときに不安になり、
  • 枠を使い切れなかったときに後悔し、
  • 思うように成果が出ないと「失敗した」と感じてしまう…

といった「制度ベース」の感情に振り回されてしまいます。


🎯目的を起点に、制度はあとから選ぶもの

NISAの仕組みを学ぶこと自体は、とても価値あることです。
でも、本来は「制度」ではなく「目的」から順を追って考えるべきです。

  • どんなゴールを実現したいのか?
  • そのためにはどれくらいの資産が必要で、何年後に使うのか?
  • リスクはどの程度なら受け入れられるのか?

この問いに答えられていないと、どんなにNISAを「正しく使って」いても、
目的地に向かっていない車を運転しているのと同じことになります。


🧪 私自身の体験から

実は私も、以前はNISA口座をあえて使わず、課税口座で積立を続けていた時期がありました。
というのも、旧NISAの非課税期間は最大10年。私の目的は30年単位の長期積立だったため、
「制度の期限に無理やり合わせるくらいなら、課税口座で続けた方がいい」と判断したのです。

それが、新NISAになって非課税期間が無期限になったことで、ようやく目的と制度がかみ合い、
今はNISA口座で積立を行っています。

このように、「目的を起点に制度を選ぶ」視点があれば、迷いや不安がずっと減るのです。


💬 投資の「考え直しポイント」

NISAは使い方よりも、使う目的が大事。
「この制度を使って、どんな未来を実現したいのか」
を自分自身に問い直してみましょう。


第4章:判断がブレるのは「目的と目標の不在」

SNSや相談現場では、こんな声をよく耳にします。

「損してるけど、売るべきか分からない」
「いつまで続ければいいんだろう」
「どれが正解か分からない」

多くの人が「今どうするか」の判断で悩んでいます。
その根本には、「何を達成したいのか」が決まっていないという問題があります。


🧭 「目的」だけでは判断できない

投資を始めるとき、まず「目的」が必要です。

  • 老後に備えてお金を増やしたい
  • 子どもの教育資金を準備したい
  • 働けなくなったときのために備えたい

でも、「目的」だけでは、判断基準としては不十分です。
次に必要なのは、「目標」です。


📏 目的の次に「目標」が必要

「目的」は進む方向を示すもの。
「目標」は、たどり着く具体的な地点です。

  • 18年で500万円
  • 30年で5,000万円
  • 3か月で20%の利益

このような数値目標があるからこそ、
「その目標に近づいているか?」「ペースは順調か?」という判断ができるようになります。

目標が曖昧なままだと、「何のためにやってるんだっけ?」と迷い、感情に流されてしまうのです。


🎯 判断軸は「手段」によっても異なる

さらに注意すべきは、投資の手段によって、判断軸も変わるということ。

たとえば:

  • 投資信託(長期・分散・積立)なら:
     → 毎月の積立日と、目標到達時が売買の判断ポイント
  • 個別株(中短期のトレード)なら:
     → テクニカル分析や事前に定めたマイルールが判断軸

つまり、「目的と目標があるだけ」でも不十分で、
自分が選んだ「手段」に合わせて、判断軸を設計する必要があるのです。


💬 投資の「考え直しポイント」

投資の判断がブレるときは、
「目的」と「目標」が曖昧になっていないかを確認してみましょう。
さらに、投資スタイルによって判断軸は異なります。
制度を使う前に、自分に合った判断基準を持つことが大切です。


第5章|儲かる銘柄を「聞く」投資から、「選べる」投資へ

🤔「何を買えばいいか」ばかりを考えていませんか?

投資の世界では、よくこんな声を耳にします。

「いま買うべき銘柄はなんですか?」
「どの投信がおすすめですか?」
「NISAで買うべき「正解」を教えてください」

こうした問いの裏には、「損をしたくない」「なるべく早く成果を出したい」という気持ちが見え隠れします。
しかし本来、投資は「何を買えばいいか」という正解を探すゲームではありません。

むしろ、「なぜそれを買うのか」を自分の判断で説明できること。
これこそが、投資における最大の武器となる「判断力」です。


🧠 判断力の源は「型」にある

「なぜこの商品を選ぶのか?」と問われたとき、自信を持って答えられる人は多くありません。

でも、それは能力やセンスの問題ではなく、学ぶべき「型」を知らないだけです。

たとえば──

  • 投資信託であれば、インデックス型かアクティブ型か
  • 個別株であれば、成長期待なのか、割安狙いなのか
  • 購入タイミングは、長期積立なのか、チャートの形状を見て判断するのか
  • 目標に応じた「売り時」を、どう設定するのか

これらには一定の「考え方」や「セオリー」があり、それを学べば、自分なりの選択ができるようになります。


🧪 私自身の体験から

私は投資信託については、本を何冊か読み、「長期・分散・積立」という成功の型があることに気づきました。
そのおかげで、情報に振り回されることなく、着実に資産を育てていく道筋を描けるようになりました。

一方、個別株については、より判断力が求められる世界です。
私は、短期〜中期で値上がり益を狙うための銘柄の選び方や、ルールある売買の方法を学ぶため、とある投資講座を受講しました。
実践を通じて、「人に聞く投資」から「自分で選ぶ投資」へと考え方が変わり、少しずつ成果も出始めています。


💡 投資の「考え直しポイント」

人に「何を買えばいい?」と聞く投資では、いつまでも「再現性のない成功」に依存してしまいます。
逆に、「なぜ自分はそれを選ぶのか?」という問いに、自分の言葉で答えられるようになると、投資の軸がぶれなくなります。

「人に聞く投資」から、
「自分で選べる投資」へ。


この変化こそが、あなたを「一喜一憂」から救い出し、長く続けられる投資につながっていくのです。


終章|制度よりも、「あなた自身」を起点に

ここまで読んでくださったあなたは、きっとすでに気づいているはずです。

「どの制度を使うか」
「何を買えばいいか」
「枠をどう埋めるか」

──こうした問いは、すべて「あとから考えること」なのだと。


🎯 すべての出発点は「あなたの目的」

投資とは、あなたが「どう生きたいか」「どんな未来を実現したいか」に根ざした行動です。
制度や商品は、その目的を叶えるための「ツール」にすぎません。

なのに今、多くの人が「制度をうまく使えたかどうか」ばかりを気にしています。
──それでは、いつまで経っても「自分の投資」にはなりません。


🛤 本来の順番を、もう一度

投資の順番は、こうあるべきです。

  1. 目的を定める
     (たとえば「老後の安心のために月5万円の副収入をつくる」など)
  2. 目標を定める
     (たとえば「30年後に2,000万円」など、数値で表現する)
  3. 手段を選ぶ
     (投信か個別株か? 積立かスポットか? 自分に合う方法)
  4. 制度を活用する
     (NISAやiDeCoは「便利なツール」として、最後に選ぶ)

この順番を守れば、制度の使い方で迷うことも、焦ることもなくなります。


🧭 「自分のスタイル」を知ることから始まる

他人にとっての「正解」が、あなたにとっての正解とは限りません。

たとえば──

  • リスクを抑えてコツコツ育てたい人には、積立×インデックス型の投信が向いているかもしれません。
  • 企業の将来に賭けて応援したい人には、個別株の長期保有がフィットするかもしれません。
  • 短期間で売買して収益を上げたい人には、テクニカル分析を活かした中短期のトレードが合うかもしれません。

大切なのは、「あなたにとってどのスタイルが心地よいか」。
それを見つけることが、投資を「続けられるもの」に変えていきます。


💬 さいごに

「NISAだから投資する」という言葉は、もう卒業しましょう。

これからは、「自分の目的があるから投資する」──そんな投資との付き合い方を目指してみてください。

それが、
一時の「お得感」に惑わされず、ぶれない軸で投資を続ける
──唯一の処方箋です。


NISAや制度をうまく使うことではなく、「自分の目的に合った投資スタイル」を見つけること──それが、この記事でお伝えしたかった本質です。

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ここまで読んでくださったあなたは、
きっと「制度」や「商品」ではなく、自分に合った投資の考え方を知りたいと思っているはずです。

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