投資が初めて、という方には、ETFよりも投資信託がおすすめです。
その理由は、最大の相違点である、両者の売買方法にあります。
この記事では、投資信託とETFの違いに触れながら、初心者が投資信託を選ぶべき理由を解説していきます。
【初心者向け】ETFよりも投資信託を選ぶべき最大の理由
ETFと投資信託の最大の違い──それが「売買方法」です。
投資信託は、銘柄ごとに1日1回決まる「基準価額」で取引されます。
この方式では、申し込めばその日の基準価額で基本的に約定するため、
「買えなかった」「売れなかった」といったトラブルはほとんど起きません。
一方、ETFは市場でのリアルタイム取引で、何円で売買したいかを自分で指定する「指値注文」が基本です。
「もう少し安くなったら買いたい」「もう少し高く売りたい」といった気持ちが働きやすく、
その結果として取引が成立しない(=約定しない)ケースもあります。
また、価格を指定せず「そのときの時価で売買する」成行注文もありますが、
想定以上の高値や安値で取引されることもあるため、
初心者には扱いづらさを感じやすいでしょう。
投資信託とETFの違い【比較表あり】
投資信託とETFとでは、売買方法の違いのほかにも、分配金を自動で再投資できるかどうかや、運用コストの差など、特徴的な違いがあります。
以下は、それらの違いをまとめた比較表です。
項目 | 投資信託(インデックス型) | ETF(上場投資信託) |
---|---|---|
購入方法 | 証券会社を通じて、1日1回の基準価額で購入 | 株式と同様に市場でリアルタイム取引 |
再投資の自動化 | 分配金を自動で再投資可能(一部対応外あり) | 分配金の自動再投資は不可。再投資したい場合は、手動で買い直す必要あり |
取引の柔軟性 | 売買タイミングは自由に選べない | 指値・成行注文でタイミングを選べる |
コスト | 信託報酬が低め。ノーロード商品も多い | 信託報酬はさらに低水準。売買手数料無料の証券会社も |
初心者向きか | 長期積立に適しており、初心者にも安心 | 株式と似た取引方法のため、多少の慣れが必要 |
その他 | 少額からの積立設定が容易 | 約定価格が明確で、透明性が高い |
【ケース別】投資信託とETFの選び方
選び方1:リスクを分散してコツコツ積み立てたい人には投資信託
📊
投資信託は、自動積立投資を利用できるため、長期的にコツコツと資産を増やしたい人に向いています。特にインデックスファンドを選べば、市場全体に投資でき、リスク分散も自然に行えます。初心者にとっては、運用を専門家に任せながら安定して資産形成を進めることができます。
選び方2:市場の動きに即座に対応したい人にはETF
📈
ETFは、リアルタイムで市場の動きに応じて売買が可能です。市場の変動に迅速に反応したい方にとっては、ETFが優れた選択肢となります。さらに、ETFは分散投資ができるため、個別株よりもリスクが低く、初心者でも比較的安心して投資を始められます。
選び方3:将来的に個別株にも挑戦したい人にはETF
🔑
将来的に個別株にも挑戦したいと考えている方は、まずETFで取引に慣れるのも良い方法です。ETFは指値注文が可能で、株式市場と同じような取引方法を体験することができます。ETFを通じて、株式の売買や市場の動きに慣れることが、個別株投資にスムーズに移行する助けとなります。
ETFは投資信託より個別株に近い? ──私の実感
ETFは、投資信託と個別株との中間的な存在です。
私自身、投資信託とETFをともに運用してみて感じたのは、
「ETFは投資信託というより、むしろ個別株に近い」ということでした。
具体的には、指値注文ができたり、リアルタイムで売買ができる点、分配金が自動再投資されない点などがそれに当たります。
さらに、新NISAの制度でも、ETFは「成長投資枠」に分類されており、個別株と同じ枠で扱われています。
一方、投資信託(特にインデックスファンド)は「つみたて投資枠」に含まれており、こちらはより“初心者向け”の仕組みとなっています。
この制度の分類自体も、ETFが個別株に近いという私の実感を裏づけているように感じます。
加えて、私はSBI証券の株アプリを使って個別株の売買を行っていますが、ETFはそのアプリ内で保有銘柄として表示され、売買指示も可能です。
一方、投資信託は同じアプリ内では表示も取引もできず、別の画面に切り替える必要があります。こうした操作性の違いも、ETFが投資信託より「株式に近い」と感じる理由のひとつです。
こうした特徴は、投資初心者が最初に感じる「難しさ」にもつながりますが、逆に言えば、将来的に個別株に挑戦してみたいという方にとって、ETFは良いステップになると感じました。
まとめ
新NISAで投資信託やETFを選ぶ際、初心者の方はに、まず投資信託をおすすめします。
積立設定さえすれば、あとは放置でも資産形成が進みます。手数料も安く、非課税制度との相性も抜群です。
一方で、ある程度の投資経験があり、「そろそろ個別株にも挑戦してみたい」と感じている方にはETFをおすすめします。
ETFは取引の柔軟性が高く、リアルタイムでの売買や指値注文が可能なため、市場の動きを見ながら自分で判断したい方にとっては、大きな武器になります。
私は投資信託を11年間運用し、安定的に資産を増やしてきましたが、ETFも少しずつ学びながら運用しています。これから投資を始める方も、少額から始めて、慎重に運用していくことが大切です。
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投資は不安を乗り越える第一歩
投資信託とETFの違いを学ぶことは、単なる知識の獲得だけでなく、不安を乗り越えるための第一歩でもあります。最初の選択が大きな意味を持つことに気づくでしょう。
投資信託とETFを選ぶことは、不安を乗り越え、自分に合った選択をするための第一歩です。自分にとって最適な選択を一緒に学びながら進めていきましょう。
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免責事項
本記事は、筆者の経験と見解に基づき執筆しています。投資は元本保証のないリスクを伴う行為です。最終的な投資判断は自己責任で行ってください。また、投資に関する詳細なアドバイスを受けるためには、専門家に相談することをお勧めします。