「NISAを始めよう」と思って調べてみたものの、いざ証券会社を選ぶ段階で手が止まってしまった…。そんな方は、決して少なくありません。
“SBI?楽天?どこで口座を作ればいいの?”
という迷いは、多くの投資初心者が通る道です。
結論:
・証券会社は「ネット証券」一択。
・自分がよく使うポイント圏に合わせて選ぶのが、最も合理的です。
楽天ポイント → 楽天証券
Vポイント/Pontaポイント → SBI証券
dポイント → マネックス証券
この記事では、投資歴11年のファイナンシャルプランナーである筆者が、初心者でも安心してNISAをスタートできるように、証券会社の選び方と、おすすめの証券会社について実体験を交えてわかりやすく解説します。
まずは、多くの人が見落としがちな“つまずきポイント”から一緒に見ていきましょう。
証券会社を選ぶとき、初心者がつまずく2つの落とし穴
とにかく「近いから」「知ってるから」で選んでしまう
証券会社を選ぶ際、
「いつも利用している銀行だから安心」「家の近くに店舗があるから便利」
といった理由で決めてしまう人は少なくありません。
見慣れた名前や身近な存在というのは、たしかに安心材料に思えます。
でも実は、それが落とし穴になることもあるのです。
銀行や店舗型の証券会社では、
取り扱っている投資信託の種類が限られていたり、手数料が高めに設定されているケースが多くあります。
最初は安心に見えても、
長期的に見れば「選択肢の少なさ」や「コストの高さ」が大きなデメリットになりかねません。
「安心して話せる人がいる」=正解とは限らない理由
対面型の証券会社や銀行には、
「担当者に相談できる」というメリットがあります。
わからないことをその場で聞ける安心感は、たしかに大きな魅力に映るでしょう。
ですが、ここで考えてほしいのは、
その担当者が「本当にあなたのための提案をしてくれるか?」という点です。
なぜなら、
担当者には“売るべき商品”があるからです。
筆者がこれまで相談を受けてきた方の中には、
銀行で勧められるままに投資信託を購入し、こんな後悔をされたケースがありました。
“今、絶好調の銘柄ですから”と言われて購入したものの、
後から見れば高値掴みだった。
手数料も高く、結果的に含み損を抱えたままに…。
このようなケースは決して珍しくありません。
“相談できる=安心”ではないということ。
むしろ、
「相談される側の立場や目的」を見極める視点が、長期投資では不可欠なのです。
ネット証券と店舗型の違いと選び方の基本
証券会社には大きく分けて2種類あります。
それが、「ネット証券」と「店舗型(=対面型)証券・銀行」です。
結論から言えば、初心者におすすめなのは、断然ネット証券。
理由はこのあと順を追ってご説明します。
取り扱い銘柄の数が違いすぎる
まず、最も大きな違いは「選べる商品の数」です。
店舗型の証券会社や銀行では、
取り扱っている投資信託が非常に限られていることが多く、
“選択肢”があるようで、実は「販売できるもの」に絞られているケースがほとんどです。
一方でネット証券は、
何千本もの投資信託・ETF・上場株式を取り扱っており、選択肢が圧倒的に多いのが特徴。
「これしかないから…」ではなく、
「この中から自分で選べる」というのが、投資の第一歩として非常に大きな違いです。
手数料と時間コストでネット証券が圧勝
ネット証券のもう一つの強みは、
手数料が安く、すべてがスマホで完結できるという点です。
特にNISAのような「コツコツ積立型の投資」においては、
毎回の取引コストが低いことが、将来のリターンに大きな差を生みます。
さらにネット証券では、
- 積立設定
- 銘柄の比較・検索
- 残高の確認
などがすべてスマホアプリで完結できます。
通勤時間や、すき間時間に“片手で操作できる”というのは、
長期投資の「続けやすさ」=最大の武器です。
セキュリティが不安?対策すれば問題なし
2025年、不正アクセスによる証券口座の乗っ取り被害が相次ぎ、証券会社では特例的に補償対応が行わる見通しです(2025年7月現在)。
とはいえ、これは一時的な措置であり、今後も同じように補償されるとは限りません。
多くのネット証券では、すでに「多要素認証」の仕組みが導入されています。
IDとパスワードに加えて、スマホ認証などを設定すれば、セキュリティは大きく強化されます。
つまり、適切な対策を取れば、ネット証券が特別に危険というわけではありません。
とはいえ、「自分で設定するのは不安…」という方もいるでしょう。
そういう場合は、対面で相談できる店舗型の証券会社を選ぶのも一つの選択肢です。
大切なのは、「安心して使える環境」を自分で選ぶこと。
ネット証券でも、しっかり対策すれば安全に運用できます。
どのネット証券を選べばいい?「ポイント圏+アプリの使いやすさ」で考えよう
ネット証券を選ぶとき、初心者が迷いやすいのが「どの会社を使えばいいの?」という悩み。
結論から言えば、ふだん使っているポイントサービス(楽天ポイント、Vポイント、dポイントなど)を軸に選ぶのが、いちばんわかりやすくて実利も大きいです。
あわせて、「アプリの使いやすさ」や「サポート体制」など、+αの視点もあるとさらにベスト。
ここでは、主要3社を比較しながら、あなたに合ったネット証券の選び方を紹介します。
🔴 楽天証券:楽天ポイントユーザーならまず検討
- 楽天ポイントが投資に使える・貯まる
- 楽天市場や楽天カードとの連携で、自然とリターンが最大化しやすい
- 株式の操作は「iSPEED」アプリが快適、投資信託は「iGrow」アプリでの管理が必要
- アプリが分かれているため、投信メインの人はやや煩雑に感じる可能性も
- 楽天キャッシュ積立や楽天カード決済でNISAでの積立もスムーズ
🔵 SBI証券:Vポイント/Pontaユーザーにおすすめ
- 三井住友カードやローソンなど、Vポイント/Ponta圏の人に強い
- クレカ積立のポイント還元率が高く、選ぶカード次第で投資効率がアップ
- アプリは「SBI証券 株」と「かんたん積立アプリ」に分かれているが、最低限の機能は十分
- NISAでは成長投資枠の商品も豊富で、選択肢の幅が広い
🟢 マネックス証券:dポイント圏ユーザーの本命
- dポイントが使える唯一の主要ネット証券
- 株式も投信も「マネックス証券アプリ」で一元管理できる点は魅力
- 米国株への投資機能が充実しており、中上級者にも対応
- アプリの操作性は好みが分かれるところだが、シンプルに使いたい人には合う構成
📱 各社アプリの使いやすさを比較(2025年7月時点)
証券会社 | 株式用アプリ名(評価) | 投資信託アプリ名(評価) |
---|---|---|
楽天証券 | iSPEED(★4.2) | iGrow(★4.1) |
SBI証券 | SBI証券 株 アプリ(★2.2) | かんたん積立アプリ(★3.6) |
マネックス証券 | マネックストレーダー株式(★2.3) | マネックス証券アプリ(★3.2) |
※評価はGoogle Playストアでの★5段階(2025年7月時点)
👤 筆者の実感コメント
ちなみに、私自身はSBI証券の2つのアプリ(株式・投信)を使っています。
レビューを見ると評価は低めですが、「正直そこまで悪いかな?」というのが本音です。
もちろん、改善してほしい点はいくつかありますが、使い慣れれば困ることはないと思っています。
評価だけを見ると不安になるかもしれませんが、「とりあえず使ってみて慣れる」ことで十分カバーできるレベルだと思います。
💡 運用開始後のことも考えて
投資を続けるうえで、アプリの「見やすさ」「使いやすさ」は意外と大事なポイントです。
一度口座を開いたら、何年・何十年と付き合っていくものだからこそ、日常的にストレスを感じずに使えるかどうかも判断材料のひとつになります。
タイプ別!あなたに合った証券会社はここ【診断チャート付】
ここまで読んで、
「で、結局どこが自分に合ってるの?」と迷っている方も多いと思います。
そこで、たった数問のYES/NOチャートで、自分に合った証券会社を診断できる仕組みを用意しました。
スマホでサクッと答えるだけでも、方向性が見えてきますよ。
YES/NOチャートで簡易診断
以下の質問に順番に答えてみてください。
【質問1】
次のいずれかに当てはまりますか?
- 楽天市場・楽天トラベル・楽天モバイルをよく利用している
- 三井住友カードやPontaポイントをよく使う
- dポイントを貯めていて、ドコモ経済圏のサービスを使っている
➤ 当てはまるものがある ➜
それぞれに対応した証券会社がおすすめです。
特徴 | おすすめ証券会社 |
---|---|
楽天サービスをよく使う | 楽天証券 |
三井住友カード・Ponta | SBI証券 |
ドコモ・dポイント | マネックス証券 |
➤ どれも特に使っていない ➜ 質問2へ
【質問2】
特定のポイントは意識していないけれど、アプリの操作や使いやすさが大事だと感じますか?
➤ YES ➜ 楽天証券(アプリ評価で優位)
➤ NO ➜ 質問3へ
【質問3】
迷ったときに、比較して納得したいタイプですか?
➤ YES ➜ SBI証券(商品ラインナップ・機能の幅広さ)
➤ NO ➜ まずは楽天証券から始めてみるのが無難です
「どこがいいか、まだピンと来ない…」という方は、診断チャートでチェックしてみてください。

それでも迷ったら?まずは無料で開設してみよう
どの証券会社にするか迷ってしまう人にお伝えしたいのは、
「NISA口座の移管はできるけど面倒。だけど、証券口座自体はいくつ持っていても問題なし」という事実です。
実際、多くの人が「A社で投信、B社で株式」といった形で使い分けをしています。
特に今は、どの証券会社も口座開設は完全無料で、スマホだけで完結できます。
💬私自身も、SBI証券で投資を始め、マネックスの情報発信に学び、他社の画面を見ながらセミナー資料を作る…という形で複数社をチェックしています。
気になる会社があれば、まずは口座だけ開いておくというのは、かなり合理的な選択肢です。
まとめ|自分に合った証券会社から一歩を踏み出そう
ネット証券はどこも手数料が安く、機能面も充実しています。だからこそ、初心者にとっては「どこを選べばいいのか」が悩ましいところです。
この記事では、選びやすくなるように「ポイント圏」や「アプリの使いやすさ」といった軸から3社を紹介してきました。
- 楽天ユーザーなら「楽天証券」
- 三井住友カードやPontaポイントを使うなら「SBI証券」
- dポイント・ドコモ経済圏なら「マネックス証券」
加えて、アプリの操作性や情報発信、比較検討が好きかどうかといった+αの視点も判断材料になります。
証券口座は無料でいくつでも開設できるので、迷うならまず「開いてみる」のが一番です。
あとは使いながら「ここが使いやすいな」と思えるところを、あなたの“投資の主戦場”にしていけばOK。
まずは、あなたにとっての「最初の一社」を選んでみましょう。
🔰どの証券会社を選べばいいのか、まだ迷うなら…
証券口座の選び方には「正解」があるわけではなく、
あなたのライフスタイルや価値観に合わせて選ぶのがいちばんです。
とはいえ、
「月いくらから始めればいいのか?」
「NISAとiDeCo、どっちが自分に向いているのか?」
など、他にも迷いがある方も多いのではないでしょうか。
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