第1章:なぜ「売るタイミング」で迷うのか?
「NISAで投資しているけれど、いつ売ればいいかわからない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
利益が出ていれば「もっと上がるかも」と思い、
損失が出ていれば「今売るのはもったいない」と思う。
売るタイミングは、初心者にとって最も難しい判断のひとつです。
【結論】売却タイミングは、商品別に「目的と目標」で考える
NISAでの売却は、感情ではなく「目的」と「目標」で判断するのが基本です。
具体的には、以下のように考えることが重要です:
- 個別株の場合:あらかじめ決めていた利確ラインや損切りルールに達したら売却
- 投資信託の場合:目標額に到達した時点で、値下がりリスクを避けるために売却を検討
”あと◯年だからまだ大丈夫”と保有し続けていても、
目標額を超えたあとに暴落して元本割れ…というのは避けたい事態です。
第2章:目的 × 目標のフレームワーク
「いつ売るか」は、実は「銘柄の良し悪し」だけでは決まりません。
あなたがその銘柄にどんな目的で投資し、どこを目標としたか──
そこが定まっていなければ、判断の軸がぶれてしまいます。
逆にいえば、目的と目標さえしっかりしていれば、個別株でも投資信託でも、成功確率は高くなります。
銘柄選びに集中するためにも、自分でコントロールできる「投資設計」を整えることが大切です。
まず「目的」を明確にする
目的とは、「なぜその投資をしているのか」という理由です。
たとえば──
- 資産形成のため(例:老後資金、教育資金など)
- 短期的な利益を狙うため(例:個別株での値上がり益)
- 生活防衛資金に余裕を持たせるため
NISAのように「税制メリット」がある制度を使う場合でも、目的が明確でないと、制度を生かしきれません。
次に「目標」を数値で設定する
目標とは、どのくらいの利益を、いつまでに、どの水準で得たいかという「具体的なゴール」です。
例:
- 「5年後に200万円を確保するために、今から毎月3万円ずつ積み立てる」
- 「株価が20%上がったら売却する。10%下がったら損切りする」
- 「投資信託が目標額の300万円に到達した時点で売却」
ここまで明確にしておけば、相場が動いても「自分軸」で冷静に判断できます。
投資信託なら「目標額に達したら売却」が基本
投資信託は、短期的な値動きを狙う商品ではありません。
目的はあくまで「長期的な資産形成」です。
したがって──
目標額に達したら、そこで売却を検討する
→ それ以降の値下がりリスクから資産を守る
というスタンスが基本になります。
「あと数年あるから…」と保有を続けて暴落に巻き込まれては、本末転倒です。
出口を意識することで、積立投資にも明確な「締め切り」が生まれます。
次章では、目的と目標を決めたあとに直面する「判断の分かれ道」、
つまり「今売るか?」「持ち続けるか?」をどう判断するか、具体的な視点を整理します。
第3章:迷ったときに立ち返る「2つの判断軸」
目標が明確になっていても、「今、売るべきかどうか」という判断は簡単ではありません。
相場の上げ下げを目の前にすると、つい感情が先走ってしまう──それは誰にでもあることです。
でも、だからこそ「目的と目標に立ち返ること」と「自分のルールに従うこと」が大切です。
この2つの軸を持っておくことで、ブレない判断ができるようになります。
判断軸①:目的と目標に対する進捗
まずは、あなたが「その資産を何のために、どこまで育てたいのか」を再確認しましょう。
- 目的:投資している理由(老後資金、教育資金、住宅資金など)
- 目標:いつまでに、いくらにしたいか(期間と金額)
すでに目標金額に達しているなら──
→ 売却を検討するタイミングです。
特に投資信託などの長期投資商品であれば、目標到達後の下落リスクを避けるために「利確」する判断が合理的です。
まだ目標に届いていないなら──
→ 基本は保有継続。感情に揺さぶられず、計画に従って積立を続けるべき局面です。
この判断軸は、特に「長期の計画にもとづく資産形成(=投資信託など)」において有効です。
判断軸②:感情ではなく「自分ルール」に従う
次に大事なのは、相場の変動に感情で反応せず、「事前に決めたルール」に基づいて判断すること。
- 含み益が+20%を超えたら売却する(利確)
- 含み損が−15%を下回ったら損切りする
このようなルールをあらかじめ決めておくことで、
「もっと上がるかも」「今売るのは怖い」といった気分に左右されにくくなります。
この軸は、特に「個別株」のように変動が大きく、タイミングが問われる投資において有効です。
迷ったときに自問したい4つの問い
判断がぶれそうになったときは、以下の問いを自分に向けてみてください:
- 🎯 目標金額と時期は明確か?
- 📊 今の評価額は、目標に対してどうか?
- 🧠 感情に左右されず、自分のルールで判断できているか?
- 🔁 今の判断は、投資の「目的」に沿っているか?
フローチャートで「売る・売らない」を可視化しよう
ここまでご紹介したように、「売るべきかどうか」を判断するには──
- 目標に対する進捗
- 感情に左右されていないか
- あらかじめ決めたルールに沿っているか
といった視点が重要です。
でも実際には、こうした情報を頭の中だけで整理するのは難しいもの。
そこで役立つのが、判断の流れを可視化した「フローチャート」です。
以下に掲載する図では、
投資信託/個別株のタイプ別に、Yes/No形式で判断ステップを確認できるようになっています。
「売却すべきか、それとも保有を続けるべきか?」
迷ったときの道しるべとして、ぜひ活用してみてください。

🧾 まとめ:売却に「正解」はない。でも、判断基準は持てる
🎯 結論の再確認
売却のタイミングは、「目的と目標をベースに、商品タイプ別に考える」ことが大切です。
- 投資信託なら、長期の目的に対する進捗をもとに判断する
- 個別株なら、ルールを定めて利確・損切を判断する
その上で、「感情」ではなく「基準」で判断することが、結果的に後悔の少ない投資につながります。
🤔 ”あのとき売ればよかった…”は、誰にでもある
- 上がると思って持ち続けたら、急落した
- 損切りした直後に株価が回復した
- もっと待てばよかった、もっと早く売ればよかった…
こうした「投資あるある」に、「正解」はありません。
投資の結果はあとからしかわからないものです。
💡 それでも「判断基準」を持つことには意味がある
だからこそ、ブレないために必要なのが以下の3つ:
- 目的(何のために投資しているのか)
- 目標(いつまでに、いくらにしたいのか)
- 自分ルール(利確・損切ラインなど)
これらをあらかじめ決めておくことで、相場に左右されず、納得のいく判断ができる自分になれます。
🧠 銘柄選びと判断基準の両輪が必要
もちろん、「どんな商品に投資するか」も非常に重要です。
判断基準が明確でも、そもそも銘柄の選択が間違っていれば、成果はついてきません。
- 銘柄選定と
- 判断ルールの設計
この2つがそろって、ようやく「再現性のある投資」が可能になります。
📝 まとめのまとめ:あなたなりの「納得できる投資判断」を
投資に「絶対の正解」はありません。
でも、目的・目標・ルールという判断軸を持つことで、ブレない投資ができるようになります。
あなたが何のために投資していて、どこを目指しているのか。
それを明確にしたうえで、自信を持って判断できる自分になっていきましょう。
📣 NISAの売却タイミング、あなたにとっての最適解は?
「今売っていいのか?」
「もっと待つべきか?」
「そもそも何を基準に判断すればいいのか?」
そんな疑問が少しでもクリアになったなら嬉しいです。
とはいえ、実際の判断は人それぞれ。状況によって迷いもあるでしょう。
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